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母に刺さったガラス片 原爆資料館 新着99点展示開始

 広島市中区の原爆資料館で21日、昨年度に寄贈された被爆資料などを紹介する新着資料展が始まった。犠牲者の遺品などが、原爆の悲惨さを訴えている。

 国内外の67人から寄せられた950点のうち、99点を並べた。

 南区の小林和子さん(63)が寄贈したのは、2011年に88歳でなくなった母宮地房子さんの遺品。爆心地から約1・5キロの幟町(現中区)の美容院で被爆した際、頬に刺さった四つのガラス片だ。取り出した後、自宅のたんすに納めていた。

 当時22歳。房子さんの顔に刻まれた傷は、ザクロの実がはじけたようだったという。「嫁入り前だった母は、どんなにつらかっただろうか」と小林さん。「戦争は二度とあってはならない。展示会を通して原爆の恐ろしさを知ってほしい」と願っていた。

 会場にはこのほか、犠牲者が原爆投下時に身に着けていた衣服や靴、亡くなる前に家族に残した手紙、被爆前の街並みをとらえた写真などが並ぶ。入場無料。来年6月15日まで。(田中美千子)

(2013年6月21日朝刊掲載)

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