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待遇・生活伝える写真や記事 広島市中区で展示 似島俘虜収容所に焦点

 広島市南区の似島に第1次世界大戦中あったドイツ人捕虜の収容所の企画展が、中区の市公文書館で開かれている=写真。待遇や食生活が分かる写真、運動会や脱走を伝える新聞記事など計34点が並ぶ。7月31日まで。無料。

 似島俘虜(ふりょ)収容所には、1917年からの約3年間で約550人のドイツ人捕虜が収容された。外出は原則禁止ながら、それ以外は比較的自由だったことが、19枚の展示写真から分かる。クリスマス会を開いたり、ギターやバイオリンを奏でたり。所内のバーでワインを飲み、談笑する姿もある。

 7点の新聞記事には、住民を招いての音楽会や運動会など、にぎやかな話題に交じって脱走のニュースも。手作りの絵はがきや、広島高等師範学校(現広島大)チームとのサッカー試合を伝える書籍も展示している。

 捕虜と住民の市民交流が多い点について、市公文書館の岡崎伸子主査(42)は「当時の日本は先進国の仲間入りを目指し、捕虜の待遇に気を配っていたようだ」と解説する。土、日曜と祝日の休館日を除き午前9時~午後5時。(新山京子)

(2013年6月22日朝刊掲載)

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