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デモ音量「影響ない」56% 8・6式典調査 割合倍増 団体配慮か

 広島市が8月6日の平和記念式典の会場で行った参列者アンケートで、デモをする市民団体の拡声器の音について「式典への影響はない」とする回答の割合が56・1%と、昨年のアンケートから約2倍に増え、「悪影響がある」とする割合を逆転したことが分かった。新型コロナウイルスの影響で回答数は大幅に減ったが、市はデモ団体が音量の抑制に一定に配慮した結果とみている。

 回答者は54人(回答率50%)で、被爆者や遺族が45人。拡声器の音の受け止めについて「式典への影響はない」としたのは56・1%で昨年より28・7ポイント増えた。「悪影響がある」としたのは43・9%で15・0ポイント減。昨年は10・8%が「分からない」としたが、今年はゼロだった。

 音量への対応については「関係者に対する要請や話し合いを続けるべきだ」が46・3%で3・6ポイント上がった。「規制する措置を講ずるべきだ」は22・2%で10・5ポイント減った。「何もする必要はない」は22・2%で10・6ポイント増えた。昨年は1098人から回答を得た。

 市と市民団体「8・6ヒロシマ大行動実行委員会」は今年3月、拡声器から10メートル地点の音量を85デシベル以下とすることで合意。市は式典当日、会場内外の10カ所で音量を測り、デモ行進ルート上の7カ所は91~98デシベルと一時85デシベルを超えていた。

 一方、アンケートでは、拡声器の音が聞こえた人が多かった時間帯が約25分から約12分に短縮された。同実行委は「会場に聞こえるよう活動しつつ、合意を踏まえた。前年より音は小さかったと思う」としている。

 市は平和記念式典の静けさを保つため、デモ拡声器の音量を規制する条例の制定を検討。条例によらない解決策も含め、デモ団体と話し合いを続けている。(新山創)

(2020年9月24日朝刊掲載)

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