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原爆ドームの将来像探る ユニタールが広島でシンポ

■記者 桑島美帆

 原爆ドーム(広島市中区)など世界遺産の保存と将来について考えるシンポジウムが24日、中区の原爆資料館東館であった。広島平和記念都市建設法の施行60周年を記念して国連訓練調査研究所(ユニタール)広島事務所が主催し、市民ら75人が内外の識者を交えて意見交換した。

 広島国際大の石丸紀興教授が広島の復興史と原爆ドーム保存の経緯を解説。「ドームは数々の奇跡を経て保存に至った。既に老朽化して100年後は分からないが、被爆70年などの節目ごとにヒロシマが何を発信できるか考えるべきだ」と問題提起した。

 会場からも「例え原爆ドームが崩れたとしても、市民が訴えてきたメッセージを継承することが重要」「次世代に遺産の価値を確実に伝える教育カリキュラムが必要だ」などの提案が相次いだ。

 世界の紛争跡地に平和関連施設を建設するユニタール主催の国際コンペ「平和のための建設」について、共催するスイス・ローザンヌ工科大のジャン・クロード・ボレイ教授は「広島のように、平和と復興を考える空間を各地に建設したい」と事業の意義を説明した。

(2009年4月24日朝刊掲載)

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