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栗原貞子さん未発表詩7編 直筆ノート見つかる

 原爆詩「生ましめんかな」で知られる広島市出身の詩人栗原貞子さん(1913~2005年)が、86、87年に作った未発表の詩7編を含む直筆ノートが同市安佐南区で見つかった。少し癖のある素朴な字で、友人や家族を思う叙情的な言葉をつづっている。

 栗原さんは46年、詩歌集「黒い卵」を自費出版。この際、連合国軍総司令部(GHQ)の検閲で削られた部分を復活した完全版を83年に刊行した。ノートは、完全版編集のため作られた、中身が白紙の束(つか)見本を代用。表紙に「その後の記録 栗原貞子」と記し、新聞掲載された自作の切り抜きや手書きの詩を収めている。

 今年生誕100年の栗原さんの資料整理に携わる広島文学資料保全の会(広島市中区)が6月中旬、遺族が管理する旧宅で見つけた。(渡辺敬子)

(2013年6月23日朝刊掲載)

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