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被爆翌年 のど自慢大会 開催向け奮闘する人々描く NHK広島 26日ラジオドラマ放送

 NHK広島放送局は26日午後10時から、ラジオドラマ「歌え、この街の空に」をNHK・FMで放送する。被爆翌年の1946年、広島市でのど自慢大会を開こうと奮闘する人々の姿を描く。

 主人公の輝はある日、ラジオから流れてきた「素人のど自慢大会」を耳にする。原爆のショックで歌うことができなくなった幼なじみのナツや、希望を失った広島市民を勇気づけようと、のど自慢大会開催へ動きだす。広告代理店「みづま工房」創業者の水馬義輝さんをモデルに創作した物語だ。

 脚本は広島市出身の藤井香織さんが手掛けた。井之脇海、芋生悠、宇梶剛士のほか、広島の俳優事務所や劇団に所属する6人も出演する。「歌を忘れたカナリヤ」や「リンゴの唄」など、時代を彩る音楽も盛り込んでいる。

 番組を担当した池田桃子ディレクター(26)が昨夏、水馬さんの遺族らに取材。人であふれかえる大会時の写真などを参考にドラマ化に踏み切った。池田ディレクターは「困難を乗り越えようと奮闘する戦後の人々の姿から、今につながるヒントを感じてほしい」と話している。(里田明美)

(2020年9月26日朝刊掲載)

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