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F35B 米で墜落事故 岩国追加配備に不安の声

 岩国市は30日、防衛省からの情報として米カリフォルニア州で訓練中の米海兵隊の最新鋭ステルス戦闘機F35Bが墜落する事故があったと発表した。同市では10月以降、米軍岩国基地にF35Bが追加配備されるだけに、市は基地などに詳細な情報提供を求めた。追加配備に反対の住民団体からは抗議の声が上がっている。

 市によると、事故は現地時間29日午後4時ごろ発生。空中給油訓練中のF35BがKC130J空中給油機と接触し墜落した。パイロットは脱出し、給油機の乗組員にけがはなかった。墜落したのは岩国基地所属機との情報もあり、市が確認を急いでいる。

 岩国市など基地周辺の2市2町と山口県でつくる連絡協議会は30日、同基地と防衛省に「今回の事故は住民に大きな不安を与えている」として速やかな情報提供と再発防止策の徹底を求めた。同基地は「公表できる情報を得られ次第共有する。航空機の安全な運用に専心する」と回答した。

 住民団体「岩国基地の拡張・強化に反対する広島県住民の会」の坂本千尋共同代表は「米軍機が訓練するのは広島や島根県の上空。騒音だけでなく訓練中の事故の不安がすごく大きくなった」と追加配備計画の撤回をあらためて求めた。

 追加配備の計画は岩国基地の既存のFA18ホーネット戦闘攻撃機12機に代わり、F35B16機を約半年かけて段階的に配備する。岩国市は25日に計画を容認する考えを表明している。(永山啓一)

(2020年10月1日朝刊掲載)

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