×

ニュース

核廃絶「力続く限り」 岡山で原爆死没者慰霊祭 40人参列 2世部会の設置決める

 岡山県原爆被爆者会は30日、原爆死没者慰霊祭を岡山市北区の宿泊施設で開いた。被爆者や遺族たち約40人が犠牲者をしのび、核兵器廃絶や世界平和の実現を願った。続く代議員総会で被爆者会の中に2世部会を設置することも決めた。(中島大)

 全員で黙とうし、広信靖之会長(76)=岡山市南区=が「父親は原爆で亡くなった。まだ遺骨は見つかっていない。父親のいない寂しさから原爆さえなかったらと何度思ったことか」と語り、「核のない平和な世界の実現に向けて体力の続く限り訴える」と誓った。

 広信会長は、爆心地から西へ約2キロの現在の広島市中区舟入川口町の家で母親とともに被爆。1歳4カ月だった。「差別されると思い、退職するまで被爆のことを積極的に話すことはなかった」と打ち明けた。

 参列者は祭壇に花を手向け「原爆を許すまじ」を合唱。今の広島市南区皆実町で3歳の時に被爆した副会長の青木綾子さん(78)=真庭市=は、閉会あいさつで「開催できて幸せに思う。これからも平和であることを祈りたい」と話した。

 その後、代議員総会を開き、2世部会の設置を決めた。村上佳穂さん(60)=岡山市南区=を部会長に選んだ。部会のメンバーは約30人で会の仕事を手伝う。

 慰霊祭は6月に開催する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で延期となっていた。

(2020年10月1日朝刊掲載)

年別アーカイブ