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核禁止条約 年明け発効へ 月内にも50ヵ国批准 「広島の心共有」市長が意義強調

 広島市の松井一実市長は2日の記者会見で、今月中にも核兵器禁止条約の批准国・地域が発効に必要な50に達する見通しについて、「核兵器は存在してはいけない絶対悪との認識が、国際社会に広まっている」と歓迎し、早期の発効にあらためて期待感を示した。

 松井市長は、「世界の市民社会が広島の心を共有する新たな国際的な枠組みになる」として条約発効の意義を強調。「平和への大きな潮流になると期待している」と述べた。

 一方、国家間の緊張などを背景に核軍縮が停滞している現状を踏まえ「条約の発効が直ちに核兵器廃絶につながる状況ではない」とも指摘した。実効性を高めるには、核兵器保有国やその同盟国の参加が欠かせないとした。

 会長を務める平和首長会議でも、保有国が核兵器廃絶へとかじを切るための国際世論の醸成や、発効後に締約国が集まる会合へ日本政府がオブザーバーとして参加するよう求めるなどの取り組みを進める考えを示した。(明知隼二)

(2020年10月3日朝刊掲載)

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