被爆死 13歳少女がつづる 「瑤子の日記」豪で英訳出版
13年6月24日
建物疎開作業中に被爆し、その夜、13歳で亡くなった森脇瑤子さんが書いていた日記を、兄で被爆者の細川浩史さん(85)=広島市中区=がまとめた本「広島第一県女一年六組 森脇瑤子の日記」が英訳され、オーストラリアで出版された。(増田咲子)
英語版のタイトルは「Yoko’s Diary(瑤子の日記)」。A5判、224ページで、出版大手のハーパーコリンズが5月に刊行した。
オーストラリアの歴史作家ポール・ハムさんが2010年、原爆をテーマにした本を書くため広島を訪れた際、細川さんに出会い、被爆死した妹の話を聞いて心を動かされたのが、きっかけとなった。「原爆が罪のない子どもや女性たち一般市民の命を奪った事実を伝えたい」と英語版の編集に当たった。
英訳は、被爆体験談を訳した経験がある、オーストラリアの翻訳家デビー・エドワーズさんが担当した。海外の人が理解しやすいよう、「被爆者」「空襲警報」などの言葉の解説を加え、小学生でも読めるように配慮した。
元の本は、細川さんが1996年、妹の生きた証しを残そうと出版した。45年4月の広島県立第一高等女学校(現皆実高)入学から、原爆投下の前日までつづった日記などで構成。入学した時の喜びや決意に加え、8月5日には「明日からは家屋疎開の整理だ。一生懸命頑張ろうと思う」と記している。
細川さんは「英訳により、世界の人に原爆について知ってもらう機会になる。妹の死を通して、原爆の悲惨さを自分のこととして捉えるきっかけにしてほしい」と話している。
(2013年6月24日朝刊掲載)
英語版のタイトルは「Yoko’s Diary(瑤子の日記)」。A5判、224ページで、出版大手のハーパーコリンズが5月に刊行した。
オーストラリアの歴史作家ポール・ハムさんが2010年、原爆をテーマにした本を書くため広島を訪れた際、細川さんに出会い、被爆死した妹の話を聞いて心を動かされたのが、きっかけとなった。「原爆が罪のない子どもや女性たち一般市民の命を奪った事実を伝えたい」と英語版の編集に当たった。
英訳は、被爆体験談を訳した経験がある、オーストラリアの翻訳家デビー・エドワーズさんが担当した。海外の人が理解しやすいよう、「被爆者」「空襲警報」などの言葉の解説を加え、小学生でも読めるように配慮した。
元の本は、細川さんが1996年、妹の生きた証しを残そうと出版した。45年4月の広島県立第一高等女学校(現皆実高)入学から、原爆投下の前日までつづった日記などで構成。入学した時の喜びや決意に加え、8月5日には「明日からは家屋疎開の整理だ。一生懸命頑張ろうと思う」と記している。
細川さんは「英訳により、世界の人に原爆について知ってもらう機会になる。妹の死を通して、原爆の悲惨さを自分のこととして捉えるきっかけにしてほしい」と話している。
(2013年6月24日朝刊掲載)