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被災地癒やす指人形 山口の前田さんと児童 手作り300個送り交流

 山口市吉敷赤田で私設「赤田文庫」を運営する前田繁さん(83)と同文庫に通う児童らが指人形を作り、宮城県の3町に贈っている。東日本大震災の被災地の遊具不足解消にと、児童らが提案。お礼の手紙が届くなど交流が生まれている。

 指人形は、丸い発泡スチロールに毛糸やモールを貼り付けて顔の表情を出し、服に見立てたフェルトを巻き付ける。人形を指にかぶせ、音楽に合わせて動かすなどして遊ぶ。

 近所の良城小6年茨木麻緒さん(11)たち6人が、前田さんに教わりながら製作。2011年12月~13年2月、宮城県の山元町、南三陸町、女川町の役場に各100個郵送し、幼稚園や保育園に配ってもらった。「つなみに負けず、明るいみなさんと先生でいてください」などと書いた手紙も添えた。

 茨木さんは山元町のやまもと幼稚園からお礼の手紙を5月に受け取り、「気持ちが伝わってよかった」。最近は仲間入りした妹の宥依(ゆい)ちゃん(7)に作り方を指導する。前田さんはお礼の手紙に同封されたヒマワリの種を庭にまき、苗を育てている。「花が満開になったら写真を送りたい」と話している。(柳岡美緒)

(2013年6月25日朝刊掲載)

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