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強制連行 歴史考えよう 石碑建立10年 広島で17日 集会

 戦時中に強制連行され、広島県安芸太田町の安野発電所の建設工事に従事した中国人の歴史を伝える石碑の建立から10周年を記念する集会が17日午後2時から、広島市中区上八丁堀の広島弁護士会館である。被害者や遺族を支えてきた市民団体が主催。被害者と西松建設(東京)との和解や石碑の意義について考える。

 工事には360人が強制連行され、終戦後に帰国するまでに29人が死亡。うち5人は事件に巻き込まれて広島刑務所(現中区)に収容され、被爆して亡くなった。9年間にわたる裁判を経て2009年に和解が成立。和解金による基金の一部で石碑を建立し、追悼行事を開いている。

 集会では5人が講演。元基金運営委員の杉原達さんが、和解の経緯や被害者の名前と日中友好を願う言葉を刻み、10年に建った碑について語る。主催する広島安野・中国人被害者を追悼し歴史事実を継承する会の川原洋子事務局長(70)は、生存者や遺族の訪日事業などを振り返る。裁判に携わり、主に強制連行問題に取り組んできた内田雅敏弁護士も戦後補償の歴史などをひもとく。

 川原事務局長は「あらためて碑の持つ意味や日中友好について考える日としたい」と話す。定員80人。参加費500円。18日午後1時半にも、現地の石碑前で集会を開く。同会☎080(3880)8340。(猪股修平)

(2020年10月12日朝刊掲載)

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