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「ラグビーで広島と交流も」 駐トンガ大使就任 尾道出身 宗永氏が意欲

 駐トンガ大使に先月就任した尾道市出身の宗永健作氏(63)が12日、ビデオ会議システムで中国新聞の取材に応じた。約170の群島から成る南太平洋の島国で盛んなラグビーに着目。「日本との友好関係に果たしてきた役割は大きい。広島との交流促進にも役立てたい」と話した。

 トンガ出身で日本代表の桜のジャージーに袖を通した選手は多く、マツダのラグビー部にも歴代5人が在籍した。「日本のチームに有望なトンガ人選手が入るよう、両国関係をより発展させたい」

 9月16日付で大使の辞令を受けた。新型コロナウイルスの影響で赴任日が決まらない中、手に取ったのは同じ尾道市出身の作家湊かなえさんのエッセー集。青年海外協力隊員としてトンガで2年間活動した経験がつづられていた。「草の根活動がとても重要」と感じ入り、協力隊の活動を支えたいと考えている。

 父は広島の入市被爆者。核兵器廃絶に向けて「被爆2世として思うところはあるが、日本政府の立場もある」。核保有国と非保有国の橋渡し役を掲げる政府方針に基づき核軍縮を訴えていくという。

 高校卒業まで広島で暮らし、東京大法学部を経て大蔵省(現財務省)に入省。2012年に退職後、民間企業などに勤めた。(河野揚)

(2020年10月13日朝刊掲載)

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