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原爆ドーム 耐震性分析始まる 大阪 壁サンプルの強度試験

 世界遺産の原爆ドーム(広島市中区)の耐震性を調べるため、壁から抜き取った試料の強度を分析するための試験が25日、大阪府吹田市の一般財団法人、日本建築総合試験所で始まった。円柱状の試料は15本で、試験は7月までかかる見通しだ。結果を基に、広島市は本格的な耐震補強工事をするかどうか決める。

 ドームの壁は、れんがをモルタルで接着している。1915(大正4)年の建設当時のままという。耐震性を調べている市はことし1月、コンピューター解析の結果を発表。震度6弱の地震でもすぐに崩壊する恐れはないものの、壁4カ所に揺れの負荷が集中すると推定した。

 市はさらに詳しく調査するため今月、負荷が集中する壁から直径5~20センチの円柱状に試料を抜き取っていた。

 試験所で調べるのは、垂直方向と水平方向の力に対するモルタルの強度。25日はプレス機で上から力を加えた。7~8分でモルタルにひびが入った。

 試験終了後は、10月までにデータを分析。その結果を踏まえて耐震工事が必要かどうか本年度内に決める。(加納亜弥、加納優)

(2013年6月26日朝刊掲載)

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