×

ニュース

「黒い雨」舞台で平和を考える 神石高原の三和中生

 広島県神石高原町の三和中1年生32人が25日、井伏鱒二の小説「黒い雨」の舞台となった同校近くの小畠地区を巡った。

 小説の基になった原爆体験記「重松日記」の著者、故重松静馬氏の養子の文宏さん(77)が案内。静馬氏が日記を仕上げた家や、井伏が小説の最終場面にした乱塔池など6カ所を2時間かけて歩いた。

 「いわゆる正義の戦争よりも不正義の平和の方がいい」との小説の一節が刻まれた文学碑の前では、文宏さんが「2人は庶民を犠牲にする戦争を憎んでいた」と強調。生徒は真剣な表情で聞き入った。

 平和学習の一環。10月の文化祭などで成果を発表する。久吉涼子さん(12)は「実際に歩いてみて2人の思いが伝わってきた。私も平和の役に立つ大人になりたい」と話した。(杉本喜信)

(2013年6月26日朝刊掲載)

年別アーカイブ