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「あの日」とそれから 語り継ぐ 長崎原爆資料館の朗読イベント 広島のグループ初参加

 長崎原爆資料館(長崎市)で11月14、15日にある被爆体験手記の朗読や映画上映のイベントに、初めて広島から三つの市民グループが参加する。二つの被爆地で活動する有志が思いを一つに、「あの日」とそれからを語り継ぐ。

 昨年に続く開催の「ナガサキ 映画と朗読プロジェクト」。国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館が2010年に始めたフォーラムが18年で終了後、プロデューサーを務めた映画監督の稲塚秀孝さん(70)=東京=らが引き継いだ。広島の朗読グループとの交流は、10年ごしの念願だったという。新型コロナウイルスの影響で、当初予定の7月から延期し、開催にこぎ着けた。

 広島YWCA(広島市中区)の朗読グループ「夾竹桃(きょうちくとう)」は4人が向かう。長崎での活動は初めてだ。子を広島原爆に奪われた母親の悲しみがつづられた手記など、8作品を読む。代表の平田香都子さん(80)は「平和への思いは同じ。長崎についてさらに知り、視野を広げる機会にしたい」と意気込む。

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(同)の朗読ボランティアでつくる「森の会」(網本えり子代表)と、反核を訴え続けた画家、故四国五郎さんの詩を歌うバリトン歌手・今田陽次さん(42)のユニットも参加。稲塚さんは「広島に根ざす人たちがその土地の言葉で伝える朗読は、聞き手の心に響くはず」と話す。

 稲塚さんが監督した二重被爆者の故山口彊(つとむ)さんを追った映画の上映もある。(山本祐司)

(2020年10月26日朝刊掲載)

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