×

ニュース

核物質保全・防護で討論 広島で国際シンポ

 広島県と広島市でつくる実行委員会と一橋大、米スタンフォード大は27日、「核セキュリティー」をテーマにしたシンポジウムを広島市中区の広島国際会議場で開いた。原発などで出た核物質の保全・防護をめぐり、国内外の専門家4人がテロ対策や監督強化などについて討論した。

 74人が聴講する中、スタンフォード大のスコット・セーガン教授(安全保障)は日本の原発について「テロ対策が進んでいない」と指摘。英セントラル・ランカシャー大のローレンス・ウィリアムズ教授(物理科学)は原発の建設、運転を監督する規制組織に関し「独立した強い指導力を発揮することが重要だ」と強調した。

 米シカゴ大のロバート・ロスナー教授(物理学)は「不測の事態に対応するため、原発で働く作業員には高い技術と知識が必要」と強調した。

 内閣府原子力委員会の鈴木達治郎委員長代理は、核兵器に転用可能なプルトニウムの国内在庫に言及。原発の使用済み核燃料を再処理して取り出すプルトニウムについて「日本は必要量だけを再処理するなどし在庫量を減らすべきだ」とした。

 シンポは、県の国際平和拠点ひろしま構想の一環。県と一橋大は昨年2月に国際平和分野で協力する協定を結んでおり、核セキュリティーを共同研究するスタンフォード大とともに合同で開催した。(野崎建一郎)

(2013年6月28日朝刊掲載)

年別アーカイブ