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折り鶴レイ 20年で終止符 西区の高橋さん 平和祈り外国人に手渡し 公民館事業に託す

 平和を祈って20年間、折り鶴をつないでレイ(首飾り)を作り続けてきた広島市西区の高橋史絵さん(83)が被爆75年の今年、活動に終止符を打つ。広島を訪れ、被爆の実態に耳を傾けた外国人にお礼として手渡してきたが体調不安を理由に決断。折りためた鶴は28日、佐伯区の全19公民館が取り組むプロジェクトに託した。(石井千枝里)

 折り鶴のレイを、広島に来た各国の外交官や学生に渡す活動は2000年に始めた。「被爆者の証言を聞くのはその場限り。でもレイを渡せば思い出してくれるのよ」。渡す相手の母国の国旗の色に合わせた60羽の鶴を連ねるレイは好評で、市の依頼などを受けてこれまでに約2千個を贈った。

 夫は元原爆資料館長で被爆者の昭博さん(11年に80歳で死去)。夫と行ったスウェーデンで、知人が手掛けた折り鶴のレイを渡すと喜んでくれたのがきっかけだった。00年以降は、夫の被爆体験を聞いた外国人にも贈った。かばんには常に折り紙を入れ、贈る予定がなくても毎日折った。だが昨年体調を崩し、続けていくことに不安を抱いたという。

 佐伯区の全公民館は、来館者が作った折り鶴を集めて千羽鶴にし、平和記念公園(中区)の「原爆の子の像」に手向けるプロジェクトを共同で進めている。高橋さんはこの日、佐伯区の五日市公民館を訪れ、レイにするために作っておいた折り鶴を寄贈した。

 同公民館の冨永真也館長(59)は「平和への思いをしっかり引き継ぎたい」と受け取った。高橋さんは「鶴が役に立てばうれしい。気付いたらまた作ってしまうかも」とほほ笑んだ。

(2020年10月29日朝刊掲載)

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