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カンムリウミスズメ確認数 中電「ゼロ」と食い違い 環境団体は「延べ70」

 中国電力の上関原発建設予定地沖に生息する国天然記念物の海鳥カンムリウミスズメをめぐり、中電と環境保護団体「上関の自然を守る会」(高島美登里代表)の調査結果が大きく食い違っている。調査回数や海域などが異なるものの、2、3月の調査で中電側は「ゼロ」に対し、同会は延べ70羽。同会が27日、山口県庁で会見して明らかにした。

 同会は2月17日~3月28日に上関町八島付近など計10回の調査で延べ70羽を確認した。一方、中電はホームページで2、3月の調査では1羽も確認されなかったとしている。

 中電の調査は毎月2日間にわたり、夕方と朝方の2回実施。建設予定地を中心に半径5キロ程度の海域を調べるとしているが、中電上関原発準備事務所によると、海が荒れている場合、陸上部から約1キロ以内の海域を双眼鏡で調べる。2月は2回とも陸上、3月は夕方が陸上、朝方は海上で調査したという。

 同会はこうした調査を「対象物は小さく、海上でも見つけにくい。あまりに稚拙な調査だ」と批判。同事務所は調査結果の食い違いについて「団体側がどこで調査しているかなど把握しておらず、コメントできない」としている。

 同会の高島代表らは27日、県庁を訪れ、中電に環境影響評価をやり直させることなどを求める申し入れ書を提出した。同会は5月、「長島の自然を守る会」から名称変更した。(金刺大五)

(2013年6月28日朝刊掲載)

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