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締約国会議 国は参加を 核禁条約 広島市長要請へ

 広島市の松井一実市長は6日、来年1月22日に発効する核兵器禁止条約への署名、批准を日本政府が否定したのを受け「発効は大きな転換点であり新たなステージ。条約の実効性を高める締約国会議への参加を求めていく」と述べた。あらためて未批准国も可能なオブザーバー参加などを国に要請する考えを示した。

 同条約は10月下旬、批准数が発効に必要な50カ国・地域に達した。松井市長はこの日の記者会見で「核兵器は要らないとの市民社会の声が世界の潮流となった。その潮流をしっかりと見極めてほしい」と強調した。

 日本政府が核保有国と非保有国の「橋渡し役」を務めるとした点を踏まえ「条約の実効性を高める具体的な議論に貢献することが大きな役割」と指摘。今月中に長崎市の田上富久市長とともに直接、オブザーバー参加を求める。

 同条約を巡っては、加藤勝信官房長官(岡山5区)が「わが国のアプローチとは異なる。署名は行わないという考え方に変わりはない」と述べていた。

 また、松井市長は開票が進む米大統領選について「被爆者の思いを受け止めてもらうため、次の大統領にも被爆地訪問を要請したい」と述べた。

 現職の米大統領としてはオバマ前大統領が2016年に初めて広島を訪問。松井市長は、バイデン氏が当選した場合について「米国の核戦略が変わる可能性はあるが(核兵器廃絶に向けた)多難な状況がすぐに解消するとの認識はない」とした。(久保田剛)

(2020年11月7日朝刊掲載)

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