×

ニュース

「黒い雨」検証に鎌田氏 国に広島県推薦 小池・広島副市長も

 広島市への原爆投下後に降った「黒い雨」を巡る国の援護対象区域の再検証作業で、広島県は鎌田七男・広島大名誉教授を、広島市は小池信之副市長を参加させる方針を決めた。6日に国から参加者を推薦するよう連絡があり、両氏を推した。

 血液内科医の鎌田氏は、広島大原爆放射能医学研究所(当時)の元所長で、原爆の後障害研究の第一人者。国は援護区域の検証に科学的な知見を重視するとしているため、多くの被爆者に接し専門性の高い鎌田氏を推薦した。

 総務省出身の小池副市長は2019年7月に就任した。企画総務や財政各局を担当。国の検証作業への市関係者の参加を、厚生労働省に直接要請するなどしてきた。

 黒い雨の被害を巡る今年7月の広島地裁判決は、区域外で雨に遭い健康被害を訴える原告84人全員を被爆者と認め、被爆者健康手帳を交付するよう被告の市と県に命じた。市と県、訴訟に参加する厚労省は8月、広島高裁に控訴。同省は並行し、援護対象区域について拡大を視野に検証を進めるとしてきた。市と県は8月、職員の参加を厚労省に要望していた。(久保田剛)

(2020年11月7日朝刊掲載)

年別アーカイブ