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被爆樹木巡って平和誓う 広島で神社や寺の26本

 「75年は草木も生えぬ」とも言われた広島で被爆75年の今も生き残る被爆樹木を見学し、平和について考える「被爆樹めぐり」が8日、広島市内であった。

 募集に応じた約20人が約2時間、東区の二葉の里第二公園から中区の禿翁寺(とくおうじ)まで約3キロを行脚。ガイドを務めた樹木医堀口力さん(75)=西区=の説明を聞きながら、クスノキやイチョウなど26本の被爆樹木が残る神社や寺など8カ所を回った。爆心地から1・8キロ北東にある東区の鶴羽根神社では高さ12メートル、幹回り2・3メートルのクロマツを見学。被爆によるとみられる傷痕が残っていると説明を受けた。

 中国四国博報堂(中区)と中国新聞社の共同企画「緑の伝言プロジェクト」の一環。参加した安佐南区の新見和子さん(72)は「被爆樹木は育ちにくいことなど、初めて知ったことばかりだった。物言わぬ歴史の証人が生きているんだと実感した」と感心していた。(山田英和)

(2020年11月10日朝刊掲載)

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