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響き合う「ヒロシマ」 広島市中区で現代音楽2曲初演

 現代音楽の若手作曲家2人が「ヒロシマ」をテーマに書き下ろした2曲の演奏会が29日、広島市中区のアステールプラザであった。若い芸術家に創作を通じてヒロシマを感じてもらう試みで、音楽ファン約150人が初演に立ち会った。

 国立音楽大准教授の渡辺俊哉さんと、大阪音楽大非常勤講師の福井とも子さんがそれぞれ作曲した。管、弦、打楽器の音の重なりで、被爆地の歴史との向き合い方や記憶の重なりを表現。広島交響楽団が足踏みやささやき声も交えて奏でた。

 安佐南区の琴教室講師田野原稚子さん(40)は「被爆をどう受け止めるかという2人の思いが感じられた」と曲の印象を話していた。

 演奏会は、ひろしまオペラ・音楽推進委員会や中国新聞社などが主催。音楽監督を務める安芸区出身の作曲家、細川俊夫さんが2人に作曲を依頼していた。(桑田勇樹)

(2013年6月30日朝刊掲載)

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