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海外協力隊員ヒロシマ学ぶ 原爆展開催目指す

 国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊として今月初めから2年間、途上国に派遣される、広島県に住んでいるか出身の隊員9人が、広島市中区の原爆資料館で被爆の実態や平和について学んだ。現地で原爆展を開く時に役立てる。

 まず、貸し出し用のDVDや写真ポスターについて資料館の担当者が説明。続いて、中米ベリーズに派遣されていた、JICA中国国際センター広島市国際協力推進員の浜長真紀さん(28)が「米国の影響を強く受けていたり、ウラン産出国だったりして、原爆展の開催が難しい国もある。現地の状況を把握した上で、できる範囲で開催してほしい」と呼び掛けた。

 その後、隊員たちは爆心地から約1・3キロの竹屋国民学校(現竹屋小、中区)で被爆した北川建次さん(78)の被爆体験を聴き、最後に資料館を見学した。

 看護師としてモロッコへ行く宇根川杏子さん(27)は「イスラム教の人が多い国なので、皮膚が出ているポスターがそのまま使えないといった問題はあるが、現地の人と相談しながら開催して、原爆と爆弾との違いを伝えたい」と話していた。(二井理江)

青年海外協力隊による海外原爆展
 2004年、広島県出身の隊員4人が中米ニカラグアで初めて開いた。以来、隊員がそれぞれの派遣先で開催。これまでにインドネシアやウガンダ、アルゼンチン、サモアなど57カ国で計106回開いている。

(2013年7月1日朝刊掲載)

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