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『核兵器はなくせる』 モンゴル 非核地帯会議が開幕

■記者 吉原圭介(ウランバートル発)

 非核兵器地帯の代表が集まる国際会議が27日、モンゴルのウランバートルで2日間の日程で開幕した。地域間の連携をてこに、核兵器のない世界を目指す方策をめぐり意見を交わした。

 会議では、今回の2日間の意見交換を議長宣言として集約し、5月に米ニューヨークである核拡散防止条約(NPT)再検討会議準備委員会に向け発表するアイデアが出た。さらに来年4月からの再検討会議の前に、非核地帯国や国連加盟国に幅広く参加を呼び掛ける国際会議をニューヨークで開催するとの提案もあった。

 各地帯の現状紹介では、今年3月に条約が発効した中央アジアを代表してキルギスの参加者が発効までの経緯をアピール。オブザーバー参加のエジプト代表は、事実上の核兵器国イスラエルや核開発疑惑国イランも念頭に中東の非核地帯化構想を提唱し「核兵器にとどまらず、すべての大量破壊兵器を対象にしたい」と述べた。

 会議は「一国非核地位」を宣言しているモンゴル政府の主催。欠席したアフリカを除き、中南米、東南アジア、中央アジア、南太平洋の4地帯の代表ら約30人が参加した。オブザーバー出席した広島平和文化センターのスティーブン・リーパー理事長は、2020年までに核兵器を廃絶する平和市長会議の「2020ビジョン」や、その手順を示す「ヒロシマ・ナガサキ議定書」について説明した。

(2009年4月28 日朝刊掲載)


非核地帯拡大へ声明  モンゴルで国際会議閉会

■記者 吉原圭介(ウランバートル発)

 モンゴルの首都ウランバートルでの非核兵器地帯国際会議は28日、非核地帯の拡大や核兵器禁止条約の実現に向けた国際社会の取り組みを求める議長声明を申し合わせ、2日間の日程を終えて閉会した。声明は、米ニューヨークで5月にある核拡散防止条約(NPT)再検討会議準備委員会で発表しアピールする。

 声明は、核兵器のない世界をともに追求する国際的な風潮を歓迎する▽北東アジアや中東などの非核兵器地帯化を支援する▽核兵器禁止条約へ向けた話し合いを強く求める-など20項目。取りまとめの討議では、オブザーバー参加したエジプト代表から「草案にあった『イスラエルのNPT加盟を促す』との表現がなくなり、残念だ」との指摘もあった。

 会議は「一国非核地位」を宣言しているモンゴル政府が主催し、中南米、東南アジア、中央アジア、南太平洋の非核地帯代表ら約30人が参加した。

(2009年4月29日朝刊掲載)

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