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岩国へのオスプレイ先行搬入を説明 防衛政務官が山口県入り

 防衛省の左藤章政務官は1日、山口県入りし、沖縄に追加配備する垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ12機を28~31日に米海兵隊岩国基地(岩国市)に先行搬入する米側の計画を山本繁太郎知事と福田良彦岩国市長に伝えた。岩国基地への搬入期間は1週間程度の見通し。山本知事と福田市長は受け入れに協力する姿勢を示した。

 左藤政務官は県庁で、先行搬入して1週間程度、機体整備や試験飛行をし、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に移動させる米側の計画を説明。試験飛行は基地周辺や山口県沖の日本海の米軍訓練空域などを想定し、天候などにより普天間への移動が遅れる可能性もあるとした。

 山本知事は岩国市の意向を踏まえた対応を求めるとともに、普天間飛行場への早期移動と日米合同委員会の合意事項の順守などを要望。また、岩国基地を拠点にした本土訓練ではより詳細な事前情報の提供を求めた。

 左藤政務官はその後、岩国市役所を訪ね同様の説明をした。福田市長は「市民の平穏な生活を守る立場からすると不本意」としながらも理解を示した。

 防衛省は4月末に、県と市に計画の大枠は伝えていた。搬入先を岩国基地とする理由を「那覇港湾施設より、飛行場もある岩国基地の方が安全、円滑に陸揚げして準備できる」と説明していた。

 米軍は昨年7月にオスプレイ12機を岩国基地に陸揚げ。試験飛行などを経て約2カ月後に普天間飛行場に配備し、ことし3月から岩国基地を拠点とする本土訓練をこれまでに5回行っている。

 一方、沖縄県や宜野湾市にも沖縄防衛局の担当者が訪れ追加配備を説明。県や市側は「オスプレイの不安は払拭(ふっしょく)されていない」として追加配備の中止などを求めた。(門戸隆彦、堀晋也)

(2013年7月2日朝刊掲載)

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