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原爆投下時の地域の様子証言 可部の新沢さん

 広島市安佐北区の亀山公民館で、戦争体験の証言会があった。同区可部の主婦新沢慶子さん(86)が、原爆投下時の地域の様子を住民たち約50人に語った。

 新沢さんは当時、可部国民学校の5年生で、登校中だった。証言で「ピカッという光とドンという音に、思わず目と耳をふさいで畑に飛び込むと、南側にきのこ雲が広がった」と振り返った。また、その後に「手の皮がむけた人が、太田川沿いを続々と歩いてきた悲惨な光景は今も覚えている」と強調し、根谷川の河原で遺体が焼かれた状況などを説明した。

 参加した亀山中1、2年生19人には「みんなが努力を重ねて、仲良く平和な世の中を続けてほしい」と語り掛けた。1年広瀬太知さん(12)は「争いをしないことを日々の生活でも心掛けたい」と話していた。

 証言会は、原爆と戦争に関連した展示会を各地で開く中区の市民団体「『原爆と峠三吉の詩』原爆展を成功させる広島の会」が企画した。(重田広志)

(2020年11月27日朝刊掲載)

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