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Let’s広響 平和への思い タクトに 10日定演

 広島交響楽団の第406回定期演奏会が10日、広島市中区の広島文化学園HBGホールである。「被爆75年特別定演」と銘打ち、ロシアの巨匠ウラディーミル・フェドセーエフが平和への思いをタクトに込める。

 広響にとってコロナ禍以降初めての外国人ゲストとなる。88歳のマエストロは11月下旬に来日し、コロナ対策のため東京で2週間の待機中。当初は来日そのものが危ぶまれたが、ヒロシマへの強い思い入れが関係者を動かした。

 プログラムはチャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」と、ショスタコービッチの交響曲第5番「革命」。

 フェドセーエフは第2次世界大戦で多くの市民が犠牲となったレニングラード(現サンクトペテルブルク)出身。ロシア国内外で活躍し、1997~2004年にウィーン交響楽団の首席指揮者を務めた。1993年に広響と初協演。その際、原爆資料館を訪れ、広島の犠牲者に心を動かされたという。

 2015年、芸術監督を務めるチャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ(TSO、旧モスクワ放送交響楽団)の日本ツアー中、急きょ広島市でチャリティー公演を開催。収益金を原爆関連施設や前年の土砂災害の被災者に贈った。

 広島入りを前に「世界中が苦難の中にありますが、音楽はきっとわたしたちの心に力を与えてくれるでしょう。広島で音楽を皆さまと共にできることを心から楽しみにしております」とのメッセージを寄せた。

 15年のTSO広島公演で見せたチャイコフスキー「悲愴(ひそう)」での渾身(こんしん)のタクト、客席と一体となったアンコールの盛り上がりは記憶に鮮明だ。27年ぶりとなる広響とのステージが待ち遠しい。(西村文)

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 開演は午後6時45分。6300~5300円(学生1500円)。広島交響楽協会と中国新聞社の主催。コロナ感染防止のため、自宅での検温や会場内でのマスク着用、演奏後の歓声禁止など、来場者に理解と協力を呼び掛けている。広響事務局☎082(532)3080。

(2020年12月4日朝刊掲載)

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