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高校生 反核の思い共有 全国の「平和大使」 東区で結団式

 核兵器廃絶を訴える本年度の「高校生平和大使」の結団式が5日、広島市東区のホテルであった。新型コロナウイルスの影響で、例年より半年遅い開催となったが、被爆75年の節目に結束力を強めようと、全国から28人が参加した。

 主催した高校生平和大使派遣委員会の小早川健共同代表があいさつ。核兵器禁止条約の来年1月発効が決まったことに触れ「被爆者の思いが後押しした。大変な状況だが、私たちも一歩一歩の積み重ねを大切に頑張ろう」と呼び掛けた。

 元原爆資料館長の原田浩さん(81)=安佐南区=の被爆証言も聞いた。6歳の時に広島駅で原爆に遭い、遺体を踏みながら逃げ延びたという原田さんは「自分事として受け止め、世界に伝えてほしい」と訴えた。

 平和大使は例年、スイスの国連欧州本部へ核兵器廃絶を求める署名を届けているが、今夏は新型コロナの影響で断念した。例年6月にある結団式も中止が検討されたが、メンバーの強い思いで実現。6日は中区の平和記念公園を訪れる。

 札幌市の高校2年稲場心優(みゆ)さん(17)は「同世代と思いを共有できて心強い。資料だけでは分からない原爆の悲惨さを学びたい」と意欲を語った。地元の広島大付属高2年柚木優里奈さん(16)は「被爆者の思いを引き継ぎ活動に励む」と話した。(山本祐司)

(2020年12月6日朝刊掲載)

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