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賛成国減少 言及せず 官房長官「一定の支持得た」 核廃絶決議案を採択

 国連総会(193カ国)本会議は7日、日本が毎年提出している核兵器廃絶決議案を賛成多数で採択した。日本提出の同種決議採択は27年連続。賛成は昨年より10カ国少ない150カ国で、反対は中国やロシアなど4カ国、棄権が35カ国だった。

 加藤勝信官房長官(岡山5区)は8日の記者会見で、日本が提出した核兵器廃絶決議案が国連総会で賛成多数で採択されたことについて「わが国の取り組みや考えが一定の支持や理解を得られた」と述べた。賛成が昨年より10カ国減ったことには言及しなかった。

 日本提出の同種決議が採択されたのは27年連続。加藤氏は「核兵器禁止条約を支持する国を含む非核兵器国など、さまざまな立場の多くの国々の支持を得て採択された」と説明した。

 「核の傘」を提供する米国への配慮から、来年1月発効の核兵器禁止条約に直接触れない内容だったことが、賛成国の減少を招いた要因とされる。

 これに関する質問には答えず、逆に「わが国は唯一の戦争被爆国として核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取り組みをリードする使命を有しており、条約が目指す核廃絶というゴールは共有している」と強調。日本を取り巻く安全保障上の脅威に触れて「地道に現実的に核軍縮を前進させる道筋を追求していくことが適切」と述べるなど、従来と同じ主張を繰り返した。(下久保聖司)

(2020年12月9日朝刊掲載)

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