原爆被害 全容解明諦めない 本紙 金崎平和メディアセンター長 横浜で新聞協会賞講演会
20年12月14日
本年度の新聞協会賞の受賞記者講演会が12日、横浜市中区のニュースパーク(日本新聞博物館)であった。中国新聞社の連載「ヒロシマの空白 被爆75年」「ヒロシマの空白 被爆75年 街並み再現」を担当したヒロシマ平和メディアセンターの金崎由美センター長が狙いや取材の苦労などを語り「原爆被害の全容解明を諦めない。それが惨禍を繰り返させない訴えになる」と述べた。
「ヒロシマの空白」は被爆から75年を経てなお分かっていない被害実態を改めて調べるなどした。連載記事と、壊滅する前の広島市内の写真を集めて紹介する「街並み再現」を両輪に紙面とウェブで展開した。
金崎センター長は、1945年末までの広島の原爆犠牲者数として知られている「14万人±1万人」は推計値にすぎないこと、解明が進まなかった背景の一つに戦争による市民の犠牲や被害に責任を持とうとしない国の姿勢があることを、一連の記事を紹介しながら伝えた。
その上で「死者数をはじめ明らかでない実態が多い。『空白』を埋めるためにできることはまだあるし、まだ間に合う。一人一人の生きた物語を掘り起こすことが私たちの原爆平和報道の原点だ」と述べた。(山中和久)
(2020年12月13日朝刊掲載)
「ヒロシマの空白」は被爆から75年を経てなお分かっていない被害実態を改めて調べるなどした。連載記事と、壊滅する前の広島市内の写真を集めて紹介する「街並み再現」を両輪に紙面とウェブで展開した。
金崎センター長は、1945年末までの広島の原爆犠牲者数として知られている「14万人±1万人」は推計値にすぎないこと、解明が進まなかった背景の一つに戦争による市民の犠牲や被害に責任を持とうとしない国の姿勢があることを、一連の記事を紹介しながら伝えた。
その上で「死者数をはじめ明らかでない実態が多い。『空白』を埋めるためにできることはまだあるし、まだ間に合う。一人一人の生きた物語を掘り起こすことが私たちの原爆平和報道の原点だ」と述べた。(山中和久)
(2020年12月13日朝刊掲載)