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被爆地の思いを朗読と音楽で ビナードさん出演 3月に広島で催し 作曲家高嶋さん 絵本を基に曲

 東京都在住で広島市佐伯区出身の作曲家高嶋圭子さんが、詩人のアーサー・ビナードさんの絵本から想を得て曲を作った。来年3月27日、被爆地ヒロシマの思いを朗読と音楽で伝える広島市での催しで披露する。今月27日の予定だったが新型コロナウイルスの影響で延期となった。高嶋さんは「音楽によって平和への思いをより深く感じてもらえたら」と語る。

 高嶋さんは、ビナードさんの絵本「さがしています」(童心社)から「焼けこげた鉄瓶」など3編の詩を選んで作曲した。作曲依頼を受ける以前に読み知っていた作品で、「曲のイメージが湧いていた」という。

 高嶋さんは観音高を卒業後、東京芸術大で作曲を学んだ。1996年のひろしま国体では開・閉会式のファンファーレを作曲。被爆死した広島二中(現観音高)の動員学徒を悼む合唱曲の東京上演にも関わった。

 広島から離れた東京で暮らし、「原爆の悲劇を伝える大切さを強く感じるようになった。ビナードさんの詩により親しんでもらえたら」と願う。

 催しは「アーサー・ビナードが語る紙芝居『ちっちゃい こえ』&ヒロシマのこころコンサート」。本番ではバリトン歌手山岸玲音さんたち声楽家3人がピアノの伴奏で披露する予定だ。

 このほか、ビナードさんが書き下ろした詩に高嶋さんが曲を付けた歌曲「さがしても さがしても」の初上演も。ビナードさん自身による絵本の朗読と紙芝居の上映、広島ゆかりの作曲家の故横山菁児(せいじ)さん、中村暢之さんらの楽曲演奏もある。広島市東区民文化センターで午後2時半開演。2500円(前売り2千円)。中国新聞社などの主催。同センター☎082(264)5551。(西村文)

(2020年12月15日朝刊掲載)

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