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被爆者 一人ずつ写真集に 広島のNPO「人生の年輪」刻む

 広島市中区のNPO法人ANT―Hiroshima(渡部朋子理事長)が写真集「ヒロシマ、顔」の作成を進めている。被爆者を一人ずつ取り上げ、1冊に収録している。被爆75年の今年は3人分、3冊。来年中に10冊目の完成を目指す。

 今年は、証言活動をしている岡田恵美子さん(83)、原爆詩の朗読活動を続ける清水恵子さん(76)=いずれも東区=と、絵で体験を発信する西岡誠吾さん(89)=廿日市市=の姿を収めた。題字は書道家で被爆者の森下弘さん(90)=佐伯区=が手がけた。

 「被爆者」というイメージにとどまらない、戦後を懸命に生きてきた人間としての姿を知ってほしい、と渡部さん(67)が思い立ったのがきっかけ。A5判20ページ前後で「その人の人生の年輪が浮かぶよう」と好評だ。

 本人が語り掛けてくるかのような雰囲気の写真は、西区の写真家石河真理さん(57)が撮った。「原爆の惨禍を伝える皆さんの、りんとした空気を損なわないようシャッターを切った」。各500部を発行し、公立図書館などに寄贈した。年内にホームページも開設する。(山本祐司)

(2020年12月21日朝刊掲載)

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