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被爆半世紀後も白血病のリスク 放影研 1950~2001年追跡調査

 放射線影響研究所(放影研、広島市南区)は4日、1950~2001年の被爆者追跡調査で、放射線による白血病の過剰相対リスクが、被爆後半世紀を過ぎてもなお持続しているとの結果を発表した。

 原爆が落とされた時に10歳で、1シーベルトの被曝(ひばく)をした人が55年後になっても、被爆していない人に比べて、白血病になるリスクが2倍になる、と指摘。ハリー・カリングズ統計部長は「被爆5年後のリスクが50倍なのと比べれば低くなっているが、ゼロにはなっていない」と説明した。特に、急性骨髄性白血病のリスクが高いという。

 また、被曝線量に対する白血病になる過剰相対リスクが、前回の調査(1950~87年)に比べて高くなっていることも判明。30歳で1シーベルトの被曝をした人が70歳になった時の白血病にかかる可能性は、被爆していない人の2・74倍、2シーベルトの被曝だと、6・37倍になる。ただ、前回とモデルの立て方が違うため、具体的な数値比較はできない、という。データの蓄積量が多くなったことなどが理由としている。

 調査は、寿命調査をしている約11万3千人を対象に実施した。(二井理江)

(2013年7月5日朝刊掲載)

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