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専門委にハイノツィ氏 平和首長会議 核禁条約制定を主導

 核兵器廃絶を目指す平和首長会議(会長・松井一実広島市長)の活動を海外から支援する専門委員に、核兵器禁止条約制定を主導したオーストリアの前外務省軍縮局長、トーマス・ハイノツィ氏(65)が就任する。首長会議事務局を務める広島平和文化センター(広島市中区)が24日、発表した。来年1月1日付。

 ハイノツィ氏は1978年に外務省に入省し、軍縮外交に関わる駐ジュネーブ国際機関代表部大使などを歴任。2017年に国連本部で開かれた核兵器禁止条約の交渉会議に同国代表として出席し、副議長国として採択へ中心的な役割を果たした。前文で「ヒバクシャ」に言及することも各国に働きかけた。

 18年8月には広島市を訪問し、20年10月に外務省を退職。同センターは首長会議が禁止条約に関する活動を進める上で、交渉経験や各国とのネットワークに期待して就任を打診した。

 ハイノツィ氏は「軍縮問題に取り組む中で平和首長会議の活動を心強く感じる場面が多くあった。貢献できることを名誉に思う」としている。センターは、ほかに米国の元国連職員など3人を専門委員に委嘱している。(水川恭輔)

(2020年12月25日朝刊掲載)

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