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「ゲン」2作品上映 被爆者と思い共有 東京で映画祭開幕

 原爆や核被害を題材にした映画を集めた「被爆者の声をうけつぐ映画祭」が6日、東京都千代田区の明治大リバティタワーで開幕した。初日は昨年12月に死去した漫画家中沢啓治さんを追悼し、1976年公開の実写版「はだしのゲン」など2作品を上映した。7日もある。

 オープニングの「はだしのゲン」は、約250人が鑑賞した。上映に先立ち、中沢さんと親交があった映画評論家の石子順さん(77)が「原爆に負けずに生きるという信念が、映画にも貫かれている」と解説した。中沢さんが被爆体験や平和への思いを語ったドキュメンタリー「はだしのゲンが見たヒロシマ」も上映。石田優子監督が、撮影時のエピソードなどを披露した。

 7日は、米国のビキニ水爆実験で被曝(ひばく)した漁船の乗組員たちを追った「放射線を浴びたX年後」や、福島第1原発事故を取り上げた海外作品など5本を上映する。

 実行委員会と明治大軍縮平和研究所が主催し、7回目。発起人で映画監督の有原誠治さん(65)は「原爆やビキニ水爆実験がテーマの映画は、把握しているだけで約160本ある。今後も紹介していきたい」と話していた。(藤村潤平)

(2013年7月7日朝刊掲載)

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