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米核実験 抗議の座り込み 平和公園で被爆者ら

 米国が昨年11月に臨界前核実験をしたことが判明し、広島県内の被爆者団体や連合広島など12団体でつくる核兵器廃絶広島平和連絡会議は18日、平和記念公園(広島市中区)の原爆慰霊碑前で抗議の座り込みをした。核兵器禁止条約の発効が22日に迫る中、参加者は「国際社会の動きに逆行している」と批判を強めた。

 参加者35人が「ヒロシマからすべての核実験に強く抗議する」などと書いた横断幕を掲げ、気温6度の寒空の下で座り込んだ。連合広島の久光博智会長(58)は「核なき世界を希求する国際社会を裏切るもので断じて許せない」と非難した。

 広島県被団協(坪井直理事長)の箕牧(みまき)智之理事長代行(78)は「ホワイトハウスに直接押しかけたいくらいの気持ちだ。条約発効の時期を狙ったのではないかと勘ぐってしまう」と憤った。

 トランプ米政権は昨年11月、西部ネバダ州の核実験場で核爆発を伴わない臨界前核実験を実行。同政権下では2019年2月以来で3回目とみられる。

 同連絡会議は座り込みの後、トランプ大統領とヤング駐日臨時代理大使宛ての抗議の申し入れ書を在日米国大使館に郵送した。(猪股修平)

(2021年1月19日朝刊掲載)

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