×

ニュース

被爆死816人の情報を 広島市 納骨名簿を全国発送

 広島市は8日、平和記念公園(中区)の原爆供養塔に納められている原爆犠牲者の遺骨のうち、名前が分かっていながら遺族が見つかっていない816人分の名簿を全国の自治体などに発送した。16日から10月31日まで庁舎などに張り出してもらい、遺族からの連絡を待つ。

 「遺族を捜しています」と書かれた名簿は、縦104センチ、横73センチのポスター形式。五十音順に名前を記し、住所や年齢、被爆当時の在籍校など、分かる範囲の手掛かりも載せている。この日は、市役所で職員2人が名簿を封筒に入れ、都道府県や市町村、被爆者団体など計1976団体に郵送した。

 市は1968年から名簿を公開。これまでに845人の遺骨が引き取られた。遺族が名乗り出たのは、2010年4月の1人を最後に途絶えている。

 市原爆被害対策部調査課の杉浦信人課長は「被爆者の遺骨はやはり、家族の元にあるのが本来の形。どんな小さな情報でもいいので寄せてほしい」と呼び掛けている。(石井雄一)

(2013年7月9日朝刊掲載)

年別アーカイブ