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折り鶴を金属製品化 禎子さんの思いを世界へ 兄が福山の会社に貸し出し

 精密金属加工のキャステム(福山市)は、平和記念公園(広島市中区)の原爆の子の像のモデルになった佐々木禎子さんがのこした折り鶴を、3Dスキャンして金属で複製するプロジェクトを始める。19日、禎子さんの兄雅弘さん(79)=福岡県那珂川市=らが同社を訪れ、折り鶴などを貸し出した。

 スポーツ選手の手形などを3Dスキャンして金属製品化する同社の提案に、雅弘さんが応じた。禎子さんが病床で作ったという折り鶴や紙片を、雅弘さんから受け取った戸田拓夫社長(64)は「紙の折れ具合など質感を再現でき、耐久性もある」とした。

 雅弘さんによると、禎子さんがのこした折り鶴は国内外の17カ所に寄贈している。雅弘さんは「新しい技術を借り、禎子の思いを世界に届けたい」と語った。

 折り鶴は原寸大の金属製品や、アクセサリーなどへの商品展開も検討する。同社は8月6日の原爆の日の発売を目標にしている。売り上げの一部は寄付する予定。(滝尾明日香)

(2021年1月20日朝刊掲載)

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