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「歴史に明記される日」 被団協が発効記念集会

 日本被団協は22日、核兵器禁止条約の発効を記念する集会を国会内で開いた。出席した首都圏在住の被爆者らは「歴史に明記される日」と喜び、政府と与野党8党へ条約の署名、批准に尽力するよう要請した。

 冒頭、広島、長崎の原爆犠牲者に黙とう。被団協の田中熙巳(てるみ)代表委員(88)は「核兵器が違法化されたことを喜びたい。廃絶を半分まで成し遂げたと思う」とあいさつした。

 木戸季市事務局長(81)が茂木敏充外相宛ての要請書の内容を説明。「被爆者の76年間の受け入れがたい苦しみは伝わっていないのか」と政府を批判し、条約に参加するよう求めた。出席した各党の代表者には国会審議を呼び掛けた。

 外務省の本清耕造軍縮不拡散・科学部長は「わが国の立場に照らし、署名する考えはない」と従来の方針を改めて説明した。自民党の被爆者救済と核兵器廃絶推進議員連盟事務局長の平口洋氏(広島2区)は条約実現を願って証言を重ねた被爆者に敬意を表した上で、「安全保障で北朝鮮の問題に頭を痛めている。条約は温かい目でしばし検討させてもらいたい」と述べた。

 集会は全国から被爆者が参加する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、首都圏の被爆者たちだけで開いた。(河野揚)

(2021年1月23日朝刊掲載)

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