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被爆地の司教区が核なき世界へ声明 広島で平和の集い

 カトリック広島司教区(広島市中区)とカトリック長崎大司教区(長崎市)は22日、核兵器禁止条約の発効を受け、核兵器のない世界の実現を訴える共同声明を発表した。世界平和を願う集いを広島市中区の世界平和記念聖堂で開き、動画投稿サイトを通じて中継した。

 広島司教区の白浜満司教(58)が読み上げた声明は、条約を「核廃絶のためにこれ以上ない有効なもの」とした上で、核抑止論という「乗り越えなければならない最後の壁がある」と指摘。日本政府に対し、条約の批准、核兵器保有国と非保有国の対話の進行役を担うよう求めた。

 集いでは、聖歌を歌って発効を祝い、国連本部のある米ニューヨークが22日午前0時を迎える日本時間の同日午後2時に鐘を鳴らした。集いの後、白浜司教は2019年のローマ教皇フランシスコの広島訪問に触れ、「カトリック教会の最高責任者が被爆地で核廃絶を呼び掛け、私たちも前に進めた。今後も地道な平和活動を後押しする」と話した。(新山創)

(2021年1月23日朝刊掲載)

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