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「被爆者 願い実った」 核禁止条約発効 岩国で署名も

 核兵器の開発から保有、使用まで一切を禁止する核兵器禁止条約が発効した22日、山口県内でも市民から「歴史的な一歩」と歓迎の声が上がった。一方、条約に賛同しない日本政府の姿勢を批判する意見もあり、政府に署名・批准を求める街頭活動も展開された。

 山口市中市町の商店街では、県原水禁と県原水協、県原爆被爆者支援センターゆだ苑の3団体計約30人が「祝発効」などと書いた横断幕を掲げ、通行人に政府の条約参加を訴えた。県原水禁の桝本康仁議長(58)は「核兵器を全面否定する条約の発効は意義深い。批准国を増やすためにまず日本が参加すべきだ」と訴えた。

 岩国市麻里布町の商店街でも、岩国原水協が政府に署名・批准を求める日本原水協の署名集めを実施。メンバー約10人が「核兵器は禁止されました」と書いたビラを配るなどし協力を求めた。吉岡光則理事長(74)は「被爆者や核兵器廃絶を願う人々の思いが実った歴史的な日。条約で違法とされた兵器にしがみついたままでいいのか、声を上げなければ」と話した。(山下美波、永山啓一)

(2021年1月23日朝刊掲載)

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