×

ニュース

山口知事「政府責任で移転先確保を」

 米軍岩国基地(岩国市)の空母艦載機による陸上空母離着陸訓練(FCLP)の移転の是非が争点となった鹿児島県西之表市長選で、反対を訴えた現職が推進派の新人に勝利したのを受け、山口県の村岡嗣政知事は1日、中国新聞の取材に「政府の責任で早期に移転先を確保してほしい」との見解を示した。

 FCLPは陸上の滑走路を空母の甲板に見立てた離着陸訓練。現在は岩国基地から1400キロ離れた硫黄島(東京都)で実施し、悪天候などで困難な場合の予備施設として同基地や厚木基地(神奈川県)が指定されている。県によると、岩国基地での実施は2000年9月が最後という。

 村岡知事は西之表市長選で反対路線を続ける民意が示されたのを受け「住民が総合的に判断した結果。いずれにしても岩国以外の場所でFCLPを実施してほしいとの思いに変わりはない」と強調。移転計画の難航が予想されることには「西之表市と調整し、できるだけ早く計画を進めてほしい」と話した。

 防衛省は19年12月、同市沖合の馬毛島にFCLPの恒久訓練施設を兼ねた自衛隊基地を新設すると表明。20年12月に建設に向けた海上ボーリング調査を始めている。(門脇正樹)

(2021年2月2日朝刊掲載)

年別アーカイブ