×

ニュース

核と闘った半世紀 日本被団協が発刊

■記者 岡田浩平

 日本被団協は1日、50年の運動の歴史をまとめた「ふたたび被爆者をつくるな」を発行した。被爆者が13年かけて執筆、編集し、援護策の充実や核兵器廃絶を求めた運動の歩みを伝えている。

 本巻(B5判、480ページ)の第1部では1956年の結成から2006年までの運動を網羅。被爆者援護法制定や核をめぐる世界の動向などを、日付や人名を交え克明に記している。被団協結成前の運動や、原水爆禁止運動が分裂したときの様子にも触れている。第2部は各都道府県別に被爆者団体の歩みを記録。別巻(同、320ページ)は広島原爆への政府の抗議文などの資料と年表を収める。

 1996年に被団協役員たち20人で編集委員会を組織。広島、長崎両市に残る文献などにも当たりながら執筆を続けた。この間に委員7人が亡くなった。二代目編集委員長の藤平典・代表委員(80)は「民衆がどう核兵器と闘ってきたか。被爆者から次代への一つの遺言だ」と話している。

 全国の書店で販売し本巻、別巻セットで1万2600円。各巻での購入もできる。

(2009年5月2日朝刊掲載)

年別アーカイブ