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サダコの鶴、沖縄で輝け 兄雅弘さん寄贈 「平和の日」展示

 広島市中区の平和記念公園にある原爆の子の像のモデルとなった佐々木禎子さんの兄の雅弘さん(71)=福岡県=は12日、禎子さんが病床で作った折り鶴の1羽を沖縄市に寄贈すると発表した。9月7日、沖縄市役所の1階で展示される。

 寄贈される鶴は紅白のしま模様の紙で折られ、羽を広げた幅が約3センチ。原爆資料館(中区)が保管する約120羽の一つだ。雅弘さんが12日、資料館に志賀賢治館長を訪ね、返還を受けた。

 禎子さんは2歳の時に被爆。10年後に白血病で亡くなるまで、回復を祈り鶴を折った。遺族は一部を資料館に寄贈していた。

 雅弘さんは、禎子さんの歩みを伝えるNPO法人の代表理事を務める。遺族で保管する5羽のうち3羽を米国とオーストリアの博物館などに寄贈。国内では沖縄が初めてで、戦争の惨禍を経て平和を求める両市をつなぐ役割に期待。「沖縄市民が今にも増して平和を考えるきっかけとなれば」と願う。

 9月7日は68年前、唯一の地上戦となった沖縄戦の降伏調印式があった日。沖縄市が「市民平和の日」に定める。東門美津子市長は「折り鶴が国内外への平和の懸け橋となること願う」とコメントを出した。(新山京子)

(2013年7月13日朝刊掲載)

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