×

ニュース

ヒロシマ 響く祈り 被爆70年に向け「プロジェクト」第1弾 地元作家の新曲披露

 広島出身の作曲家が「ヒロシマ」をテーマに書き下ろした曲を、広島ゆかりの演奏家が奏でる。そんなコンサートシリーズが21日、広島市西区の区民文化センターで始まる。2015年の被爆70年に向け、初年度は4回のステージを計画。欧州を中心に活躍する人気バイオリニスト木嶋真優が第1弾を飾る。(松本大典)

 「ヒロシマ音楽プロジェクト70」と銘打った企画で、初回は、広島市生まれの作曲家藤原典子が新曲「祈りの鐘―尺八、バイオリンとピアノのための」を発表する。「多くの被爆者の手記を読み、一つ一つの言葉を和音や旋律に染み込ませるように作った」という。

 演奏する木嶋は、神戸市出身でフランスのパリ在住。11年のケルン国際音楽コンクールで優勝するなど才能を発揮し、NHK大河ドラマ「平清盛」紀行やTBS系「情熱大陸」に登場するなど高い人気がある。

 広島は思い出の地だという。1996年、当時広島交響楽団のコンサートマスターだった小島秀夫主宰の「コジマ・ムジカ・コレギア」にソリストとして招かれ、オーケストラデビューした。「海外に出てから多くの人に広島のことを聞かれ、日本にいたときより広島を思うようになった」と語る。

 「祈りの鐘」では、呉市出身でドイツのハンブルク音楽演劇大学大学院課程に在籍するピアニスト重野友歌、安佐南区在住で尺八奏者の芦垣皋盟(こうめい)と協演。「世界でも特別な場所で、特別な思いのこもった新曲を弾けるのは楽しみ。心に残る演奏をしたい」と意気込む。R・シュトラウスのバイオリン・ソナタやチャイコフスキーのワルツスケルツォなども披露する。

 チケットは前売り一般2千円(当日2500円)、高校生以下と65歳以上千円(同1500円)。同センターTel082(234)1960。

(2013年7月13日朝刊掲載)

年別アーカイブ