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近づく8・6 栗原貞子さんの思い探る 広島市中区で記念講演

 8月6日の原爆の日を前に、広島市内で13日、平和について考えるイベントが相次ぎ開かれた。折り鶴に願いを込めたり、歌声や演奏に耳を澄ませたり。反戦を訴え続けた詩人の歩みを振り返る講演会もあった。

 中区の市まちづくり市民交流プラザでは、原爆詩「生ましめんかな」で知られる広島市出身の詩人栗原貞子さん(1913~2005年)の生誕100年記念講演会があった。大学教授や作家たちでつくる「広島文学資料保全の会」の主催で、約30人が参加した。

 講師は、「栗原貞子全詩篇(へん)」を編んだ中央大の伊藤成彦名誉教授(81)。約30年前に旧西ドイツであった反核国際会議で同席した思い出を紹介し「海外の活動を知った彼女は、作風を一層鋭くした」と解説した。

 「生ましめんかな」の詩については「1歳半で亡くした息子が、彼女の頭をよぎったのではないか」と述べた。中区の主婦松本滋恵(ますえ)さん(71)は「栗原さんは反核平和を貫いた人。思いを引き継ぎたい」と話していた。(井上龍太郎)

(2013年7月14日朝刊掲載)

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