×

ニュース

原爆症認定へ支援約束 都内で提訴者を励ます会

 原爆症の認定申請を却下された被爆者が国に処分取り消しを求めている東京地裁の訴訟で、追加提訴した8人を励ます会が都内であった。被爆者や弁護士約70人が集まり、全面支援を約束した。

 都の被爆者団体「東友会」と原爆症認定東京訴訟弁護団の主催。東友会の大岩孝平代表理事が「厚生労働省が厳しい認定を続けるのはおかしい。私たちが思う認定制度を勝ち取るため頑張ろう」とあいさつした。

 追加提訴を含めた原告計30人のうち9人が出席。慢性心不全を患う杉並区の男性(80)は「循環器系の病気も認めるべきだ。今も苦しんでいることを伝えたい」と訴えた。

 弁護団長の内藤雅義弁護士は、認定の可否を判断する際、爆発時の初期放射線の影響を重視し続ける国の姿勢を批判。「残留放射線や、黒い雨などの放射性降下物も考慮すべきだ」と指摘した。

 原爆症の認定要件は、全国の集団提訴で敗訴を重ねた国が2008年に大幅に緩和。爆心地から3・5キロ以内で被爆し、がんや肝機能障害などの病気になった場合、積極的に認定する新基準が導入された。

 しかし、その後も却下は続き、東京や広島などで一斉提訴が相次ぐ。緩和後、3月末までの5年間で却下されたのは、申請件数の半数に近い9878件。厚労省は、原爆放射線と病気との因果関係などを却下理由に挙げている。(藤村潤平)

(2013年7月15日朝刊掲載)

年別アーカイブ