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被服支廠 解説冊子贈る 広島 紙クラフト作家、205校に

 広島市東区のペーパークラフト作家、遊馬しいし(本名白石裕)さん(58)が市内最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(南区)の解説冊子を完成させた。市内の全小中学校、特別支援学校計205校に寄贈し、学習に役立ててもらう。1日は地元の戸坂小(東区)に届けた。

 冊子はA4判カラーで8ページ。被服支廠の歴史や鉄筋とれんが造りの近代建築物としての価値を、写真と地図を添えて説明している。現存する全4棟を800分の1の大きさで再現したペーパークラフト模型の材料一式も付いている。制作費の一部73万円を、インターネットのクラウドファンディング(CF)で集めた。

 遊馬さんはこの日、戸坂小6年1組の教室を訪れ、代表の児童に全クラス分の冊子24部を渡した。自作した被服支廠の精密な模型を示しながら、3棟を所有する広島県による保存・利活用が焦点になっている経緯に触れ「ぜひ活用法を考えてほしい」と呼び掛けた。6年の川本芽花(めいか)さん(12)は「被服支廠が広島にとって大事な建物だと思った」と話していた。(赤江裕紀)

(2021年3月2日朝刊掲載)

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