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核禁条約批准求める ビキニデー集会 オンライン開催

 静岡県焼津市のマグロ漁船第五福竜丸が米国のマーシャル諸島ビキニ環礁での水爆実験で被曝(ひばく)して67年となった1日、日本原水協や原水禁国民会議がそれぞれ主催するビキニデー集会がオンラインで開かれた。参加者らは原水爆禁止運動の原点がビキニ事件であることを改めて確認。1月22日に発効した核兵器禁止条約を日本政府が批准するよう求めた。

 原水協などの原水爆禁止世界大会実行委員会が開いた集会では、第五福竜丸展示館(東京都江東区)からライブ配信があった。元乗組員の大石又七さん(87)が2019年にローマ教皇へ宛てた手紙が読み上げられ、「海外ではビキニ事件の存在を知らない人があまりにも多い。核兵器のない未来のために、世界に向けて平和の願いを発信してください」と訴える内容が紹介された。

 大会運営委員会の野口邦和共同代表は「日本政府が核兵器禁止条約を支持し参加するよう国民的圧力を加えよう」と呼び掛けた。集会の最後に、水爆実験による被害の全容調査などを政府に求めていくことを確認した。

 原水禁などの集会では、詩人のアーサー・ビナードさんが「知らなかった、ぼくらの核」と題して講演。「日本政府は唯一の戦争被爆国の責務として核兵器禁止条約を批准するべきだ」として一層の運動強化を掲げたアピールを採択した。

 集会は例年、第五福竜丸の母港がある焼津市で開かれるが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でオンライン開催に切り替えた。(山中和久)

(2021年3月2日朝刊掲載)

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